不定期に記事にしている、「こどものとも」レビューです。
福音館書店
こどものとも2018年5月号
「リュックしょってピクニック」
こさか まさみ 作
こやま ともこ 絵
「版画」の、独特の色合いのある絵柄が、興味をとってもひく、表紙です。
登場するのは、クマ、キツネ、ウサギ、ネズミだけです。
ただ、うまく性格が描かれているし、またテンポも非常によく、まったく飽きさせません。
絵柄のセンスだけではなく、言葉選び、また文章もとても上手いのだと思います。
しかも、題材が、「ピクニック」。
もうこの時点で、子供心をくすぐりまくり、間違いなし。
途中、本筋には関係ありませんが、レジャーシートをそれぞれが敷いて、それぞれのお弁当を食べるシーンが挿入されています。
お弁当のシーンは、見開き2ページ。
このお弁当のシーンには、実は動物たちは描かれておらず、動物たちのお弁当が4つだけ描かれているだけです。
どのお弁当が誰のお弁当かも記載がありません。
ただ、実は、よくこれらのお弁当をみてみると、どのお弁当が誰のお弁当か、分かるようになっています。
お弁当の大きさ(量)とか、お弁当の内容、などをヒントに。
例えば、このお弁当には、「にんじん」が入っているので、「うさぎさん」のお弁当だね!とか。
そんなわけで、このレジャーシートひろげて、お弁当を食べる、というシーンは子供が大のお気に入りです。
さて、実は、ある意味、この絵本はここから(お弁当を食べた後)がスタートです。
クマ、キツネ、ウサギ、ネズミ、という動物の大きさにも大きな意味があったのです。
これ以上ネタ晴らししてしまうと、楽しみが減ってしまうので。。。。。ここまで。
ただ、一番最初に、「ある悪戯」を考えるのが、「ネズミ」であるあたり、作者は狙ったとしか思えません。
え?なにを?
「十二支」です。
そう、十二支で、ネズミは一番ですね。
では、その一番をどのように勝ち取ったのでしょうか?
ちなみに、この絵本は「ネズミ」だけではなく。。。。
おっと、本当にここでおしまい。
ここから先は、ぜひ、ご自身の目で確かめて、楽しんでください。
ちなみに、最後はとっても、幸せな気分にさせてくれますので、安心して読んでください。
誰かさんが悪知恵を働かせて、他の誰かさんが怒って!なんて展開にはなりません。
もう、本当に、ほっこりします。
しかも、裏表紙の絵も、とっても素敵。
ちなみに、絵を描かれている「こやまともこ」(小山友子)さんは、ボローニャ国際絵本原画展で入選されている、とっても、とっても、すごいイラストレーターの方です。
他にもいくつかの絵本で描かれていますので、気になった方はぜひ他にも手に取ってみてください。
決して、今風の子供受けするような絵柄ではありませんが、とても「ほっこり」する絵柄です。
おしまい。
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