高田崇史「七夕の雨闇: -毒草師- 」を読んだ感想。

高田崇史のQED外伝シリーズ(?)の毒草師シリーズから、「七夕の雨闇」です。

読んだのは、ずいぶん前ですが、七夕を前に、自分の記事を見返していたら、まだ記事をアップロードしていなかったようですので、今更ですが、掲載させていただきます。


ちなみに、つい最近になって、単行本が発売されました。

「やるなー!新潮社!」って感じですね(笑)





さて、それでは、ずっと昔に書き留めてあった記事ですので、簡単に記憶に残っている事項だけ。。。。



あ、既にご存知かと思いますが、このシリーズの主役は「御名形史紋」です。



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「在原業平の呪いといわれる一つ目の山羊にまつわる密室殺人事件」
「千利休はキリシタンだったという説に関連した茶室での不可能毒殺事件」
「浦島太郎に関連した300歳の魔女と首なし連続殺人事件」




「鵲(かささぎ)の 渡せる橋に おく霜の
   白きを見れば 夜ぞ更けにけ」

大伴家持



「鵲の橋」=七夕と深い関係?
 ・・・七夕の夜に、天帝が牽牛・織女のために鵲に命じ、翼を連ねて天の河に架けさせたという橋。中国の古い伝説による。

「鵲の橋」=男女の仲を取り持つ橋、または神と人との架け橋



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乞巧奠(きこうでん・きっこうでん)

「荊楚歳時記」

巧・・・裁縫や染色などの手作業をいう。
その上達を祈る星祭。

自分の技術が上達しますようにという、祈りの祭り。


いわゆる中国伝説の「七夕」
・・・織女が仕事をさぼったから、天帝が怒って、牽牛と引き離してしまった。
  しがしやがて許されて、1年に1度だけ7月7日の夜に会うことができるようになった。

雨が降らないように、天の河の水が溢れぬようにと祈り、
あわせて織女の機織りの技にあやかろうと、女性は腕の上達を願う行事となった。



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眠り流し
農耕儀礼

七夕
たなばた、と読む理由

7月7日の夜を意味する

棚機津姫の信仰に基づく

万葉集
「天の川棚橋渡せ織女の
  い渡らさむに棚橋渡せ」


眠り流し
秋の収穫前に、仕事の妨げとなる睡魔などわ送り出すために、形代に、穢れなどをつけて流す、いわゆる神送りの行事が発展したもの

ねぶた、が、有名



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なぜ七夕では笹が飾られるのか?

笹を持って出現する人間は
この世にあっては狂人であり、もしくは異形の者と考えられてきた。

摩多羅神
両脇には、ソソロソニ、ソソロソ、と歌う、ていれいた、と、シシリシニ、シシリシ、と歌う、にした、とちう二人の童子が描かれる。
二人ともに、笹、と、茗荷、を手にしている



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「竹」

和名は、多計
篠は小竹のことで、和名は、之及しの、佐々ささ。

竹の筒が、ツツ、星と見られていたから。

警察用語のホシ
竹で筒で星。
朝廷に、とっての悪者

相撲でいうわ星をあげる
悪い星を倒した

金星をあげる
つまり金神を倒した

星はスサノオであり、金神であった



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七夕を穢れとする考え方

彦星と織姫が出会うことによって起こる災厄から逃れるために行われてきた風習

穢れを祓う行事



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棚機たなばた
七夕の本質、すべてを表している


機織りは、卑しい身分の女性の役目

更衣、一夜妻

棚機津姫
自由を完全に奪われている、女性

囚われの身であった棚機津姫が彦星て会うことは、貴族からみたら密会だった。

そこで、彼らが出会うことを反対した。
しかし、庶民からしたら、可哀想だから、なんとか彼らを会わせててあげたいと祈った。

違う?

蜘蛛姫
細蟹姫


七夕の夜の供物に蜘蛛が糸をかけたら、願いことが叶い、待ち人が来る。

蜘蛛
朱を知る虫

朱、つまり水銀

ささ、かに、
砂々、金
産鉄民のこと


スサノオ


彦星がスサノオ、織姫は?



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相撲の起源
野見宿禰

決闘の日は、たまたま7/7だったのだろうか?

朝廷は、わざわざこの日を選んだ
穢れや災いをあの世に送る日と考えられていた







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スサノオは、朝廷から敵視され、殺害された
蓑笠姿で流された


七夕と鉄の関係
笹と砂々
梶と鍛治

鍛治とは、タタラ場で砂鉄から鉄を精製する人々


流す、子供を流す
つまり子孫を根絶やしにする


=>七夕祭りでは、3粒でも雨が降らないとならない
 短冊が流れるほど振るのがよいとも言われる。

 =>七夕雨、催涙雨(さいるいう)と呼ぶ地方が多い

二人の逢瀬後の雨とも言われるようになったが、昔は、7日の夜は1粒でも降ればいいが、振らないと二星が逢ってしまい、病気の子供が生まれる、疫病神が生まれるとも言われた。


万葉集や古今和歌集には、二人が出会えてよかったといういう歌は、ほとんどない。
「会えなくて悲しい」という歌が圧倒的に多い。

言霊。

現実になることを恐れる。
二人を合わせたくなかった貴族は、決してそのような歌をよまない。



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彦星=スサノオ
織姫=天照大神

わが国には、機織の神として非常に有名な女神がいる。

スサノオが、彼女を困らせようとして、旗を織っている最中に、まだら毛の馬の皮を剥いで投げ入れたといわれてえいる女神。=天照大神



二人が出会った際の出来事が「日本書紀」「古事記」にものっている。

5男3女=八王子

二人が結ばれた結果として、八王子、つまり8人の疫病神が誕生した。


スサノオ=古代蘇我氏
天照大神=秦氏

七夕の「ばた」は秦氏に関係しているのでは?しかし「機」なのだから、当たり前。


秦氏は、わが国に機織りや農耕、そして灌漑の技術をもたらしたことは歴史的事実。
この話が「河川」と関係してくる。



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わが国最古の漢詩集である「懐風藻(かいふうそう)」

七夕は「犢鼻標竿日」、つまり「タフサギを、竿に標(かか)ぐる日」となっている。

「たふさぎ」=「手ふさぎ」のこと。
手で秘所を覆う、あるいは、秘所を覆う布という意味。

男性の褌、女性の腰巻のこと。

褌=犢鼻褌とも書く。

それらを竿に掲げている=全裸になっている男女が、お互いを求め合っているという合図
→日本における七夕の原点


願い事をしたためる短冊や色紙は、この「タフサギ」からきている。
短冊は褌、色紙は腰巻きの名残として。


天の川相向き立ちて我が恋ひし君来ますなり紐解き設けな

ま日長く 恋ふる心ゆ 秋風に 妹が音聞こゆ 紐解き行かな

「紐を解」って、というキーワードがある。


→当時の朝廷は、二人をあわせたくなかった。

蘇我氏と秦氏の婚姻は絶対に認めなかった。

朝廷は、搾取していた。

蘇我氏からは踏鞴製鉄を
秦氏からは養蚕・機織りを奪った

朝廷は秦氏から広大な土地も略奪している。
京都御所、紫宸殿 が建っている場所は、秦河勝の土地だった。有名な「右近の橘」も。


平安京の基礎を造り上げたのは秦氏。



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ウィスキーや焼酎などの蒸留酒
ワインや日本酒などの醸造酒

酔い方が違う。

肝臓で、アルコールデヒドロゲナーゼが単純にアルコールを分解する場合と、夾雑物が混じっているアルコールを分解するのとでは。

焼酎よりも日本酒などの酔いが回るのが早いのは、そのせい。



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筒=星=スサノオ

単純に、彦星=犬飼星?

犬飼星=井の子、川の子

→河童→川に流されたスサノオ!


朝顔
ヒマラヤ地方あるいは熱帯アジア原産で、奈良時代または平安時代に遣唐使が種子を持ち帰った。
つまり、和名。

「朝に咲く花」
だから、昔は、ムクゲや桔梗 も含まれていた


朝顔の種子は・・・ケンゴシ

「牽牛子」

「星の子」だったから、牽牛子?

それだけではない。

朝顔の種ー牽牛子の薬効は?

峻下作用・・・妊婦には禁忌。流産してしまう可能性が高い。
→流す


七夕をはさんで、

台東区入谷の鬼子母神では「朝顔市」
浅草寺では「ほおづき市」が開かれる

ほおずきも「堕胎 薬」

鬼子母神や浅草寺の近くには、吉原。
「七夕流し」のために。



感想

最後に感想を少しだけ。

この本、副題にもちゃんとあるように、「毒草師」シリーズなので、主役は御名形史紋のはずなんですが、なぜか出番は少ないです。

その点が一番のマイナス点ですね。


高田崇史氏の数ある著作(QED、カンナ、神の時空などの長期もの含めて)の中では、スサノオや秦氏を主として扱っている本ですので、これら古代史に興味のある方はとても楽しめるものと思います。


ちなみに、スサノオという点では、最近になってはじまった新シリーズ「古事記異聞」も楽しめると思います。

高田崇史「古事記異聞―鬼棲む国、出雲」を読んだ感想。
https://40saiguraino.blogspot.com/2018/07/blog-post_4.html
40歳ぐらいの雑談系日記


おしまい。



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