絵本「さらさらもじゃもじゃかみのけのなぞ (からだはすごいよ!)」の感想。「毛」から広がる世界。

「さらさらもじゃもじゃかみのけのなぞ (からだはすごいよ!)」

うえき りえ (監修)
まえだ みちこ (イラスト)
少年写真新聞社


タイトルと、表紙の絵に興味をもって購入。
昔で言う、いわゆる、ジャケ買い。

おねえちゃんの茶色いパーマ・ヘアに憧れていた「わたし」が、ある日出会ったおねえちゃんの抜け毛「モー」。なぜか全身ボロボロのモーに導かれて、「わたし」はかみの毛の大切な役割と、健康なかみを保つためのポイントを学びます。
(少年写真新聞社の紹介より。)






ところで、表紙にマンモスがチラリと描かれいます。

実は、これ、本編でも重要な要素です。


絵本と侮るなかれ。

人類誕生の歴史から現代までの「毛」の役割の変化まで描かれています。

そして、体中の毛の役割まで。
例えば、髪の毛は大事な脳を守っているので、ふさふさしている、とか。



さて、おねえちゃんは、髪の毛を染めて、パーマをかけて、しかもダイエットまでしているという、とんでもない"悪"の設定。


主人公の女の子(妹)が、おねえちゃんの抜け毛で、すっかり弱ってしまった毛の「モー」から、(人類の歴史も含めたいろいろな説明で)毛の大切さを学び、最後には、おねえちゃんを説得します。


そして、最後には、おねえちゃんは、髪を(しばらくの間だけど(笑))黒に戻し、パーマもやめて、健康的な食事に戻します。

あっぱれ、あっぱれ。


ところが、実は、この絵本、やっぱり普通の絵本ではない。


モーは、女の子に毛の大切さを教えた後、なんと、死んでしまいます。

そう、おねちゃんの不摂生のために弱っていたため、死んでしまうのです。

(死ななくてもいいのに、なんて思ってしまったけど。)



あまりにも面白かったので、他の「からだはすごいよ!」シリーズも気になってしまいました。
読んだらまた紹介したいと思います。




そんなわけで、今日の絵本の紹介は、こちら。

ただの毛の本ではありません。

いろいろな学習(教育)要素が含まれてはいるけど、押し付けがましい絵本ではないです。
極端な設定や描写に「クスっ」としてしまう場面もちらほら。

興味をもたれたら一読ください。


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